朽ちる詩
梟が枯れ木の森に
身を打ちながら飛んでいる
羽根を散らしてただ飛ぶ鳥を見ていよう
私の周りでは
空も海も
すべて死んだから
蟻地獄に引き摺り込まれ
地中で身体を引きちぎられ喰われてゆく
数多の虫たちを
見ていよう
私の周りでは
春が死に
夏も死んだから
蝋燭に火を灯そう
暗い図書館で
朽ちた本に囲まれて
過去を想おう
私の周りでは
秋は死に
冬も死んだから
廃れた図書館の
古代文字のなかで眠ろう
誰のかも知らない
膨大な記憶の中で
微かなあたたかさを感じながら
眠ろう
そして、どこか暗いところへ還ろう
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