嵐の夜に
嵐の夜に
傘も無くして
一人でいるの、
誰か助けて。
ふと神様のことを思う。
神様に人々の幸せを祈って、
救われた気持ちになった昔を思い出す。
私は祈った。
「世界の苦しんでいる人々の心に、少しでも光が差しますように。」
それでも思い出す、
世界の幸せを祈るのは簡単でも、隣人の幸せを祈ることは容易ではないと。
世界の幸せを祈る自分自身が欺瞞に満ちているように感じ、
いてもたってもいられなくなる。
私は祈った。
「あの子が、いつまでも笑顔で幸せでいるように。」
しかし…すぐに首を振った。
私は、自分より幸せな人のために
幸せを祈るほど、
人間が出来ていないのだと
気づいてしまった。
祈る相手がいなくなった私は、
神様に最後に祈った。
「誰の幸せも祈れないなら、せめて、
私を救ってください、私に幸せをください、神様。」
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