がたがた歯車
変わらない日々を
回し車のハムスターが
走り続け
疲れて立ち止まって
たまに死んで
変わらない日々に
商店街の福引ガラガラを
回し続け
残念賞ポケットティッシュ
豪華旅行券なんて当たりっこなし
ふと
眠りに落ちて
また歯車が回り
けたたましい機械音を立てながら
いびつな歯車がいくつもいくつも
回って掛け合って回り続け
部品が取れて
とにかく部品は取れるけど
数える余裕も戻す余裕もなく
結局そのまま捨てて
歩いて
立ち止まって
たまに休んで
壊れて
なぜか知らない理由で直って
歩いて
走って
また壊されて
たまに死んで
なぜか知らない理由で生き返って
いや、無理やり生き返らされて
朝が来て
昼が来て
夜が来て
また朝が来て
昼が来ない日もあって
夜が来て、眠りに落ちて
歯車が一生懸命回ってる
いや、回されてる
誰かに
無理やり回されてる
傷つきながら
血を流しながら
心が引き裂かれながら
価値がボコボコに歪みながら
大切なものを、際限なく失いながら
それでまた歯車が回った結果
走って
休んで
壊れて
死んで
ふと、眠りに落ちて
本当にろくでもない朝が来て
昼は忙しすぎて覚えていなくて
だけど今日は、
夜空を照らす月と一緒に
家まで帰った。
月は、こんなわたしにも、やさしかった。
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