風のしらせ
中学校からの帰り道
ふわっと風が
まりこの髪を靡かせたと思うと
風が、話しかけてきた
「まりこちゃん、
私は今、死んだからね。」
おばあちゃんだった
何年も会ってない、おばあちゃん
「おばあちゃん?
本当に、死んじゃったの?」
風は、何も喋らなかった
ただ、ありがとうね、と
まりこの頬を撫でた
まりこは、空を見上げた
おばあちゃんは、もういなくて
おばあちゃんが、空にいることを考えた
風も吹いてる、私は一人じゃないんだ
不思議だけれど、やさしさを、心いっぱいに感じられる…
涙は遅れてやってきて、
空を見上げるまりこの頬をしずかに濡らした
TOP