天衣無縫

正しさなんてない
正しさなんて存在しない
無防備になった私は

腕を
外し
足も
外し

そのまま天に放り投げ
「自由」という名の翼で
夜空へ飛び立った


身体は胴だけとなり
頭部も千切り
それもやがて消えて失って

天の小さな星となる
正しさなんて存在しないから


そう、正しさなんてないから!
「本当の私」なんかもないんだから!
目玉なんていらない
耳もいらない
声なんていらない
何もいらない…

宇宙空間に
全てを投げ捨て
自分だったものを
世間だったものを
世界だったものを
放り投げ、
塵屑と化して
星の一部となって
立とうとしたけれど、立てないことに気づく。



これから、どうしようか?
だけど
とりあえず、前を向こうか?

20/09/07 00:01更新 / らん
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