四時間目の思考

私とは何なのだろう

この肉体を私と呼ぶのか

この精神を私と呼ぶのか

肉の塊が私なのか

脳から出される電流が私なのか

それとも魂が存在するというのだろうか

私は死んだらどうなるのだろうか

消えるのか

綺麗さっぱり、最初からいなかったかのように

彷徨い続けるのだろうか

実体がない意識のまま、関われない夢のように

地獄に行くのだろうか

死なない世界では私とはいったいどうなるのだろうか

天国に行くのだろうか

永遠の幸せとは何なのだろか

生まれ変わるのだろうか

私の人生は初期化されるのか

世界とは何なのだろうか

私が生み出した幻想なのだろうか

私以外の精神を私は一度も見たことがない

彼女は本当に存在するのだろうか

彼に精神は存在するのだろうか

これは現実だろうか

夢じゃないだろうか

現実とはなんだ



考えに考え続けた

考え続けている

分からない

わかる気もしない

ただ混乱してくる

そのうち世界を疑い始める

そして自分を疑い始める

するとどんどん輪郭は溶けて消えそうになると

急に戻され

思考を放棄する

それの繰り返し

その先を見た人はいない

生きてはいない



極論消えるのだ

肉体が塵になり

記録は失われ

記憶は残らない

精神はいつか自分の存在も忘れてしまうのだろう

たった百年前の人さえも忘れられる

千年の恋は存在しない

いない

なにもない

なにも残らない


では

何のために

どういう理由で私は存在するのだ

わからない



私は




私はお腹が空いた



21/02/15 19:56更新 / 1026
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