深夜徘徊

寒さに欠伸を1つ噛み殺してみても、
忘れたいことなんかひとつも忘れられやしないのさ。

夜、吐いた息は白く、
あたりいちめんの静寂に、ただ、そう、ただ、
あたしは、死を考えて…

空っぽの夜は、私の内臓をむしばんでいく。

脳を、胃を、はらわたを。

すべて吐いて、神に祈っても、なんて─寒い。

足枷をがちゃんごちんと打ち鳴らし、

あたしは夜を歩く。

どこへも行けぬまま、

只・夜を歩く。

がちゃん。ごちん。

さみしいね。むなしいよ。

鬱陶しい程、黒髪が揺れた。

20/05/27 01:26更新 / ヨルノアサヒ
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c