四月一日の青い夢
濡れた桜のはなびらが ぱつんと雨をはじき
まだ冷たい尖った風は スカートをめくった
嘘だと分かっていたから打ち明けて欲しくなかった
さっき迄太陽のようなかがやきを放っていた
あれはもうただの石ころ
やわらかく吸い付く君の素肌は
ただベタベタと 嫌悪感に変わる
心音が早くなっていく
きっと覚めないだろうナイトメア
誰か起こしてヒーロー
私の腕を引っ張って
白い野良犬が首輪をしたまま
どこかの歩道で雨に打たれてる
お前も私とおなじ
うそつきに時をさらわれたのね
犬と私は雨にうたれて
桜はまた ぱつんと水をはじいた
わたぬきさんは、今日もうそつき。
TOP