四月一日の青い夢

濡れた桜のはなびらが ぱつんと雨をはじき
まだ冷たい尖った風は スカートをめくった

嘘だと分かっていたから打ち明けて欲しくなかった

さっき迄太陽のようなかがやきを放っていた
あれはもうただの石ころ

やわらかく吸い付く君の素肌は
ただベタベタと 嫌悪感に変わる

心音が早くなっていく
きっと覚めないだろうナイトメア
誰か起こしてヒーロー
私の腕を引っ張って

白い野良犬が首輪をしたまま
どこかの歩道で雨に打たれてる
お前も私とおなじ
うそつきに時をさらわれたのね

犬と私は雨にうたれて
桜はまた ぱつんと水をはじいた

わたぬきさんは、今日もうそつき。





20/04/01 13:42更新 / ヨルノアサヒ
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