存在証明を。
伸びきった糸が
縫って、縫ってと垂れ下がり
それがいつしかおまえの足首を絞め
ここから動けなくなった
どうかこの鋏を持って
私の首に突き刺しておくれ
おまえの手でしっかりと
私の息の根を止めておくれ
肉を切ってもおまえは骨を断ってくれない
情けなんかじゃない
血溜まりのぬるさが
私たちの体温だ
冥土へ往く前に ひとつ空気をくれと
肺が膨らむ 血が巡る 脳が震える
ええ、これこそがまさに生の醍醐味
存在証明を。
存在証明を。
いま、命の存在証明を。
20/02/22 23:52更新 /
ヨルノアサヒ
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