走り出すエス
わたしの罪
わたしの後悔
わたしの記憶
あなたの声
あなたの怒り
あなたの悲しみ
あなたの季節
夢で見た海の底
赤信号立ち止まる
顔を上げられなくて
教えてよ
どうしても
わたしはあなたになれない
古い本の日付が2回まわる頃
ドアの向こうに行きたくて駆け出した
蒸すような暑さだというのに
身体の芯から冷えて震えが止まらなかった
苦悩を遠く鳥が運んで
音が出ない心臓はとっくに壊れている
都合よく開いたつぼみのなんと愚かしいことだろう
ねえ
うまく歩けないならはじめから
起き上がらなきゃ よかった
手をつないだ日
はじめてひとの目の色を知ったの
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