甘美な罰の記憶
捨ててしまえ
捨ててしまえ、と
横柄で支配的な声
わたしはまだ
そこにくずれる力もなく
生かされてるなんて考えた
期待をやめて、
だって、もう十分よ
幻滅と失望が代わる代わる顔を出す
「どうしてまだ生きているんだろう」
顔も見たくないと拒絶したのは昔
でも、なんだか
今の方が、ひどく幼く感じるのよ
二の舞を演じている
引っ付いた悪意
どうか強く剥がして
感じる痛みが減ったのは
私が擦れて減ったから
あの日の声で泣けぬのだ
もろく崩れるよわい自我
騒がしい街
夢のないショーウィンドウ
叩くガラス
破滅の音
意味の無い数字を飲み込んで
紡ぐ指先 息をしてない
悲鳴は嬌声に似ている
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