前を向くあなたへ

ときには海の底に
深く潜ろう

陽の光も遠く
音もしない場所へ

ひとりぼっちの夜に
体温が冷えてゆく

とおい水面を見上げても
私の指はとどかない

ああ いったいどれほどの
涙をのんでゆけばいい

いつも通り 日が昇って 朝が始まる
そんなことが なぜこんなに 悲しいだろう

前を向いて 歩くために踏み出す足は
靴も履けず はだかのまま

息もできない悲しみも
過ぎてしまえば泡のよう

ただ目を閉じれば
それだけで

他にはなにもいらない

他にはなにもいらない








24/06/05 15:16更新 / ヨルノアサヒ
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