郷愁

ふるさとの土のにおい
水を張った田んぼに反射するのは
あの頃の私か
それとも

夕暮れに溶けていく
船がゆらゆら揺れる
潮風に錆びた港町
流れていくのは 誰か

大きく上がった花火と
後に残ったけむり
掬った金魚がビニールの中泳いで
下駄はがらごろ道を往く

ああ 神社にはうすあかりが灯って
お願いごと1つ 飴のようにとけていく
甘い甘い夢を見ていた


21/05/24 02:28更新 / ヨルノアサヒ
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