私を見るのは鏡だけ

目を覚ますとまたそこには私の手があり足がある
浅瀬で溺れるような夢を見て窒息して飛び起きて
即座に纏う倦怠感を無理矢理擦っても目は覚めない
私は誰だろう?
よく効く麻酔を打つことは私が私であるためだ
掻き毟ってやめてまた掻き毟って
私の細胞はとっくに
人間をやめてしまったのかもしれない
誰も居ない夜、冷える浴室の中、
鏡の中には麻酔の切れた誰かがいる
私の体を見れるのは鏡だけ


20/01/16 13:35更新 / ヨルノアサヒ
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