人形の壊し方
ちく、ちく、ちく、ちく、
針の音が、
お前の、心を、縫いつける。
ちく、ちく、ちく、ちく、
針は尚、
鋭く、尖って、突き刺さる。
お前の好きな、お砂糖を、
頭に、かぶせて、あげましょう。
たかった、蟻が、最後には、
お前を、骨まで、喰い尽くす。
お前は、全く、甘い奴。
腹立たしくて、悔しくて。
私は憎い、うらめしい。
だからお前を、針で刺す。
真(まこと)のワタは、こうであると、
ぬらぬら塗れた、赤い血で
化粧の嫌いな、唇に
色濃く強く、引いたのだ。
胸の底からおまえには
溢れんばかりの生き甲斐を
お前を作ったあたくしは、
所詮は名も無きさみしい道化師。
TOP