微睡みの中で君を探している
少し冷たくなっていく空気が肌をすり減らす。
私が居なくなっても、代わりはいくらでもいるんだよな。
(あの部屋も、いつか、別の色で塗りつぶされて変わっていくの。最初から、私の居場所じゃなかったんだよ。)
嗚呼、閻魔様!
このちっぽけな亡者の願いを聞き届け給う!
私のための地獄に、あの子を突き落としてくだいな。
首の骨が折れたみたいに、
頭がガクンと空を仰ぐ。
このまま雲みたいに流れて、
みんなが私を知らない場所に流れていきたい。
喉の奥からせり上げてくる叫びを殺す為、
つめたくなったミルクティーで蓋をした。
だけども急かされるうちに
流し込む温度のない気休めほど、
哀しいものはないだろう。
焼ききれず残った骨の匂いを君が
軽く服を払って落とすと、
それだけで消えてしまう、小さなお葬式が終わった秋、
私はなにも言わずに、ゆっくりとドアを閉める。
「エロイムエッサイム・エロイムエッサイム」
あの子はきっと天国気分、藁人形に君の髪の毛を落とした。
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