夢の中であたしを壊して

かわいた音が狭い部屋に響く

あたしはただからっぽの肢体をそこらにころがして

まだ動く瞳であなたの姿を視た



「行っちゃうの?」

けむりのにおいがする

「どうしてなにも、言わないの?」

煙草は嫌いだと言ったのに、

あなたはなにも
結局、最後までだんまりを決め込んで



朝方四時 バスルームのシャワーを頭から被り

うなだれて小窓に両の手を組むのだ

びしょ濡れなあたしを夢の中で壊して

夢のまま君は、そう、何処かへ…



いつのまにかいなくなっていた。

20/08/27 22:02更新 / ヨルノアサヒ
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