坂崖こうの イスカリオテ
故年と現つつ年の狭いだに亘された梯しを
またこたびも年老いた妹とふたり 超たった
境界を踏んだ
そこは再た しゅら院ん
祠 堂
シュタイン (石) のうえに構づかれた楼閣
いつまでいったいお前とこのまま老いていけるのか
どちらかが夭発つまで きっと
おたがいの我儘を 赦るしあいながら きっと
触れてはいけない関係
然しなによりも宝とおしく要いじな抽き斗し
開けて頬うほ擦りし追憶かしむひが きっとくる
そうした辞をわたしたちは共ょに識っている
どちらが遺こされても怨らまない
悄然と盛衰の断と破りに 茹だねる
イスカリオテ
鳥となり羽搏き
虫と堕ちて這いづる
それもお覚悟
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