山椒太夫の縮ちれ布も
布の畚っこ
聴えないのに
その表面肌合が茹で窯でる調らべ
稚らしべへあたし引戻す無音の旋律
蘇りは さんめんなえ居なくなった
おはあちゃんのてあわせ
てっくり てっくり てっくり粉
布も紐のを捻り縒りあわせて
ねんいりにいっしんに
坤籠めて語質ぎにする その
こころは蝶の映像たになる
こころは燕の映像たになる
こころは鮎の映像たになる
蒲公英ぽになる 女郎花しになる
痩鼬こじょの映像たにもなる
「のう、ムツや。にくしんの慈いは
縮れが鏡の薄紙がしょうじきに移つ
して のちみる児へたしかに震たわる
んじゃ」からだ弱めながら手とめず
に久邇繰返し諭してたおはあちゃん
言と輪がニニおくで滓すれてく姫抄
SAIHATE TANGOにて孤高に傅しずく
経ヶ岬の袂で襟かしよせ
ふきぶさづつよ風に
澪曝されなからたち土筆しあたし
安寿と厨子王の憐愍譚を想って
はんけちなみだで
グッショリさせていた
最早少女じゃないのに
なぜだろう
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