ひざ浦にいめんせえびれえ

      



あのこのひざ浦をさんぽ

令波うちよせ波頭砕け

しぶき跳ね滴る性の貌ち

岬さきから旭は剥き出し

聖しい鹹 むねに吸いこむ

あのこのひざ浦はあのこの

埼丘の麓に晃かえ

茜色の疼づをうすく膜く

ぼくの靈しいはそこに沈めて踞ずくまり


  ネ ム ル



あのこのひざ浦には幽かに

血潮恵ぐる匂い

磯そと海苔と珊瑚礁の薫り

ふかい葉緑素の化学物質

ぼくはついすんかすんかして

強烈 撲られた


ひざ枕にあたまのせ

息たえた 思い遺すことなく





21/05/12 07:20更新 / OTOMEDA
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