餡饅夜光マドリガル
あんまんの夜
閉鎖された薄皮の内のせかいの
夜空には耀やくほしさえ無言で
浮かんでおり質実平和
ああっ ぁぁぁ
あんまん あんまん
あんまんさんよ
きみがほしいよ ほしい ほしぃ
こんなに欲しい
星ぃ……
きみを頬っぺタにくっつけて
ダッキィ♪シメタァイ
うまのりしたおれの暖ツで
疵ヅ唇からなかの餡羹を
留めドナく食み出させたい
きみをおれの此の
心臓ととり替えて
放り出した心臓を踏み潰ぶす。
これですぐ退路は断たれる
餡満のほうかつするウチュウ
ノナカニハタクサンの衛星
あずきな顆ぶ顆ぶが一っ一っ
イノチを茂らせていて
ハェォァトの内側を殴ぐ雨め
そうだいに吹く浦ませるよ
夜行列車のザセキで
夜光の棗宝石みお車り乍ら
(カンカンカンカン カシャカシャ)
きみを頬ばり僅かな幸せを
宝蔵していた
霜凍りの結線が
酒井戸に結ながる
キャンドルの列に鳴らんで 孕んで
幻えて意色静ち
地平と一本に並んだ
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