プラグイン (機能拡張モジュール)
現代アメリカを理解するポイントとなる
のはプラグマティズムと呼ばれる 米国文
化を根底から支えた哲理だ
それは中世から近代にかけて欧州文化を
基盤に研がれた従来哲学体系ではなく
それらに匹敵する実用に即した思想
ふりかえってみると経験論哲学では
人の知識は身体の知覚に基づく経験から
生まれるとし 知識上の信憑性の根拠を
体験による会得に求め実験と観察に基づ
く科学的真理探究手法を手段とした
それに反し合理論哲学は感覚経験による
認識を思い切って排除 生得的・明証的な
な原理から導出された理性的推論だけを
真の認識といちづけた
一方観念論哲学では国家・所属集団・階
層・性別などの外的立ち位置・範疇・制
約のなかで思想・行動や形態、観念・信
条が根底的に制約されるものと規定する
体系を採択 歴史的・社会的立場を反映し
そのため現実世界よりむしろ個々が従属
する内面の観念世界に関心を強要する警
鐘があった それ自身は実はかのナチズム
形成の苗床ともなってしまったらしい
これら欧州の哲学が何にも揺るがされな
い絶対的な思想の拠り所を思索探求した
のに対しわれらがプラグマティズムでは
判断基準がもしも絶対的でなく相対的で
将来的に行動次第で変化していくとする
ならば 取り囲まれる社会環境が常ねに
夥びただしく変化する前提に立ったまま
過去のものが一体本当に今も正しいのだ
ろうかといったん立ち止まり 絶えず頸び
傾げて自問し続けることが必要だと問い
かけつづける そうした意味でおのれの
此れまでの価値観や既存の価値観を絶対
視せず 机上論や信念よりもむしろ個々の
じっさいの行動結果に着目し 価値問題を
行動の面にまで押上げて その変化してい
く課程を観察し判断しようという 遙かに
より開放的な姿勢を醸し打ち出している
それが有用か有効か?というのを基準と
し柔軟に修正を加えながら前進を目指す
実用・実際主義 行為主義ともいえるもの
そこでは科学も道徳もそれら知識や概念
を修得する学習も 問題解決のための
たんなる一ツールにしかすぎない
20世紀の経済発展を担った思想はまさに
米国や高度成長期の日本が先導したそれ
ら実存哲学の華々しい成果だったわけだ
今世紀前半 いまだ共産思想や追随主義を
引きずる中国や韓国など新興発展国家が
牽引し始めたIT技術社会は 今世紀後半
にどのような人種・民族・国家間の権勢
マップを喚び起こしていくことになるの
だろう? それは将さにひとの思想形態の
波色が 少し先の未来の社会という器わの
わくぐみの色合い 方向性(向き)を基呈し
貌たち作る 『素』 となるようであるから
いずれにしても現況を材料に
未来を 推して仞かる 衡かる
猷かる
咨かる
未来構築の意思と謀策 なくしては
ひとのぶんめいは 亡ろびへと
そのへさきを転ずるであろうから
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