ベランダの客間
家のベランダの手摺はどうやら
近くの林で暮らしているらしい
栗鼠くんの巡回路になってるらしい
少し冷えてきた風にあたりながら
珈琲をのんでいると
ときおり狭い通り路をバランスを
とりながら神速の如くかけぬけてく
たまに立ち止まりこちらを振り返る
いちどだけたまたま眼が合った
円ぶらな黒目がぼくを見つめていた
足元をたまにすりぬけていくネズ公
だとちゅるちゅるの尻尾ぐらいしか
印象にのこらないのだが この子は
フサフサな栗色うぶ毛をやけに
さわってみたい衝動に駆られた
彼らの反応速度にはまあ追い付け
ないけどね スマカメ画像撮るのだ
けでもやっとだったし
だってこっちはあのもっとお馴染み
の黒微かり翅蟲たちのそそくさした
動きにすら十度に九度は追い付けず
鼻先で翻弄されてる鈍才なのだから
まあ 栗鼠くんいちどそのあたまを
撫でさせてくれたまえ
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