今月の蚊
10月の蚊はかわいそう
DNAの悪戯で生を受けちゃって
懸命に生抜こうとしてるだけなのに
血吸った動物からは憎まれる疎んじ
られる
冬の気配を体感してくるころには
なにふり構わず餓えてて
あたしの肉くにかぶりついてくる
でも元気ないのですぐ叩たかれて
昇天する軟弱蒟蒻もんじゃ
刺されてもそんなに痒くならない
まさに断末魔だ 掬いようない
あまり往生際悪いので詩ネタにして
存在したこと永遠に録してあげるよ
そこでキミの存在類別をリースして
蚊になった仮想嘘管でフライフライ!
ほらっ一気にじべたがズームアウト
すべてがミクロの粒子と量子サイズ
縮尺に還っていく 分解してく
われわれも広大無辺な銀河団も
何もかもこの基点から発じまった。
すべてはきんいつで同一、秒等だ
ただそれぞれ分岐し都度卓逸されて
辿り着いている端の絶傍点に過ぎぬ
ブルラさがってる世界線の蔦と蔓に
過ぎぬ
だからおまえはいいかね 旗け!
いまの微小さ恥ること微々ともない
ほら過去からの勲警も聴こゆるだろう?
こころを忘れたかがくにはしあわせ
求とめる遊萌がない ってさ
そうやって感応の永で座談してたら
蚊らは承たるだけ承たって一斉にと
びたち あたしたちの任四季の向こう
辺へ逝ってしまった
それが秋風吹抜と共に ひえて朦念を
沁漱ぐ霜气が徐々に添り寄ってきて
淋 びしくもある
また来夏 深蚊したら
お互がい 碧おうよね
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