ひらかぬ朝のための叢稿


目覚めない朝を
ぶじむかえる
おかしないいかただが
ひとの生の結わりかた
膜の綴じかたでこれいじょうの
理想はない

幕わりはいづこのだれでも
どちらにしろ至とずれる
れいがいはない
安らむか苦しむかの差がいだ
瞼塞ぐ前に笑顔綻ろびふあんもなく
床について 翌朝意識がからだと
遊離していればそれで一環
個人生の一貫一巻した団円
大団円ではなく些団円だが
結ばれた良物語
そうだいな宇宙史 地球史 人類史 に
とって君が一体いみあったかはまた
別の事
物象の有象無象の真っ唯だ中かに
とけてまざり擁散していくのである
なにも残こらなくていい
なにも遺こさなくていい
ただ いっしゅんでもそんな生が
存在した それのみが退境するいしき
への最大の餞なむけである
いませいぞろいする魂魄連は
ずらりそろっていれかわり
別の象限に移相するのだから
それは じつに法則てきに平等
だから22世紀はえそらごとで
かまわない じぶんたちはかつて
絵空事だった時世に今たっている
だって目の前にめをこらしてご覧
21世紀って思いの外つまらないよ
色はついてカラホォだけど 残酷だ
疲れはててしまう
そんな 弱わ気だけが先行する
鳥聲チュン の朝に 独りよこたわる




22/10/20 05:55更新 / OTOMEDA
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