心臓神話
きみの乳峯にみみを充てると
きみの心拍が律こえる
ととん
ととん
どこか遠いきがするがはっキりしている
いきている
きみが紛ぎれようもなく
躍きてるのがよくわかる
どっくんどっくんでも
どっどっどっでもない
どきどきでもない
唯だ ととんととんと 生化学の法則の
とうり とことんとんとんと
真だしい
左心弁がぱくぱくし
左心房からタップリと濃密なサムソ
をげっとした芳醇な赤ゥァインが
ちゅるるると流れ込んで
左心壁の渇わきを拭き跳ばし
疲れた細胞たちをうるぅぉしてゆく
これはまごうことなきマヂックだ!
俺はおもわず躍起になって
きみの肉核の表層に覆ぶさりきみの
最高の宝盃を衛桃っているふたつの
佛塔の戴きに指をあてて 祷りを捧げ
参拝した
それはあまりにしぜんな儀式
ととんととんと とんととんととん
いつまでも反復して
絶ゆることなし
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