罫線平野




ここに買ってまもないぼくの
大学ノートがある
ひらくとどこまでもどこまでも
白妙の
白紙ページが綴づら織り
ここのホアイトはまるでぼくの
初魂のように漂白無垢
それはかきこまれる直前の
デフォルトディスクで
八方放射線条の可能性、世界線
が束ねられ いざ出帆している
ようそろう
帆を揚げろたかく かぜ窓らえて
しかし待ち受ける先くてには
くらく想い嵐の巣も介間鑑え
これからいろいろな穢がれで
劔るぎつぎと埋め尽くされていく
いつ筋もの雪崩る運命
かわいそうな大学ノートよ
はては忘却の禁咒をまとわれ
都合のわるい邪念の証しの
消却という名のもと燃やされ
四散するのだ
まるで ぼくというそんざいに
とても 似てぞんざい(遜罪)だ





22/05/09 14:44更新 / OTOMEDA
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