はなちらし(瑛枚伝聞)



とうとう花散らしの雨がふりだした

諸行無常、ものの憐墓なさだ

花見にいけないまま

ひとをなりふりかまわず今怨んでる

ここはさながら令臓虚の感触だ

き嶺いにみえるけどどこかソトガワ

嘘粗っぽい

ウスザムク さみしさコミアゲテクル

しし しし ししし と

がらす額に棄ばられた紅びらたちが

窓といつき 貼つき 私を殻かってくる

キャキャキャキャ ハハハハハハ

うるさい まぬいけの痕滓たちめ

おまえらなんか どこかへ行って

羽もれてしまえ

硝子や 湖面でゆれる華水母げ達

くわくわ すくく ぷぷぷ

歌餉の惜しまい、想った

ハナチラシ という、春とは分つの

きせつのはなしです




22/09/06 06:42更新 / OTOMEDA
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