無残なビニール傘の boogie




先日の爆弾低気圧のときの突風で

もっていたビニール傘の一本を

壊されてしまった

そのときは腹がたったが

落ち着いてみればビニール傘って

結局ただの消耗品 格安でかえる

と ここまで考えて

折角作り出され役割を与えられた

物/存在に対しいかに申し訳ない

意識を持っているか思い直おした

すると無様に破壊されて玄関に

放置されているビニール傘だった

物体(?)が僕の夢枕にでてきて

『○藤クン、○藤クン』

ん? だれだ? ああお前さんか

僕所有のビニール傘だった存在

今はただの鉄の骨と皮の成れの果て

『ヒドイな○藤クン。そりゃボク』

『は傘として使命は終えたけどさ』

うんうん、そのうち丁重にお別れの

参詣を行ったのち棄ててあげよう

『でもキミはボクを使ってる間は』

『ボクの透明の外套を通して滴る』

『雨が潤す聖潤な世界を眺めた筈』

『それでもし少しでも感動してく』

『れたなら詩にしてボクを思いだ』

『してほしいな。それでボクのイ』

『ノチは後に残りヒトによって読』

『んで貰える。無駄じゃなくなる』

傘の亡骸め 随分と一方的な注文をつ

けてくれるなと一度は腹を立てたが

結局その夢枕を健気に思ったボクは

夢で頼まれた通りにしてやった

壊れたヤツは勿論ゴミ捨場で瓦礫駄

末は炙やされるのか埋立地の土か

まあでも雨の時分の感傷呼び起こす

トリガーとして紹介され満足だろう

投稿したこれがその詩一片である




21/12/11 00:00更新 / OTOMEDA
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