鏡の城にようこそ
自分の中で先鋭的で駿逸な建物の
一つだと勝手に認定しているのが
新橋にある汐留シティセンターだ
ここには視ることのない22世紀が
ある とおもわされた
20世紀にいた自分が勝手に
想もい描いていた未来都市が
まっさきに顕現している と
みらいには昆虫人が闊歩してそうな
有機的なオーガニックビレッジも可
り能るけど 無機質的空間美追及した
こんな鋭利な営み場があってもいい
二十一世紀なかばの都市建設の
意匠というものはもっとずっと
自由奔放であるべきだから
人類のさまざまな可能性を試し尽す
機会は今の壮年期しかないんだよ?
高齢老瘡化した熟成文明の曉きには
試そうと考える意欲もげんきもそう
したヨユウすらなくなるんだよ?
まさにジジ イ 衰亡し掠すれて
霞すんで萎むしかない一方通行
その劣化落ち社会を彷徨うのは
眼蓋の下に隈の湧いた脱け殻の
ムーバブルパペットたち
白骨交わる奇やしい晩餐会
眼球までがじろんとぶら提っている
だからさ未来感じているあいだは
がんばれ!
未来都市舞台に豊えていられるよう
今の人類め
たえまなく サボらず はげめ!!
完成に到達した科学文明の都市体系
にはきっと面白味はなく 恐らく
飽きと諦めしかない倦怠い袋小路
そこへ着く途上の今がいちばん
おもしろいんだ
一寸さきがさっぱりわからない
迷宮探索の現実がもっとも
アナマジナブルなんだ
そうしてぼくは
全身を縛る拘束具から離脱しつつ
まてんろうなカベの鏡面に映る空を
よこめで睥睨しダイブしながら
汐の境わりめを未来擬都になぞった
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