辻の藤城





ちまたじゃ 華つじが
崎き亂だれ てる朱るい辻角
でも浮かれているムウドとは
うらはらに
フジの提がる棚下は


  


浮立ちそうになる逸る心を宥め
            諌め
内省を伴った沈思への領分へと
いざなう茶室空間となる
むらさきが垂れ
零ぼれてくる
降る癒やし色醒雨め
聴こえる数ずのない
しとしと噺すらも耳帆根に届く
御伽噺の悪戯
かれらはかぜがそよぐと
その気のながれをも美映し魅せる
カガミとなりうる さぃやさぃやと
    とてもやさしい
藤棚の麓の部屋の畔とりで
独とり蹲り内宇宙へ潜航旅行する
黄金週の嗜みはとても至貴で絶品






25/05/01 01:54更新 / OTOMEDA
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