令和の彩窓から透かしてみる たび





SASEBO HIRADO

ひきつづき 旅の噺である

松浦鉄道で高架駅に滑り込むと

目の前はミナト

湾ん向こうの島影と灘だが

高松駅前と類ていると思ったり

武骨で無彩色な軍艦も停泊する

軍港由来の都会 サ セ ボ

至るところで天主堂が見下ろし

港に連なる広い河に囲まれた

配置など高知城下も思わせる

坂道のアポロンの舞台となって

山の斜面這い上がるような

家々をぶら下げた坂が多い

中心部をちょっと分なれると

昭和の置いてきた感満載だ

一転 ヒラドは海と瀬戸の洲

橋から行き交う船隻ミオロス

雄大な自然を大んどばっくに

江戸期の懐古趣味が沈たずむ

城と漁港と街すじ潤す濠江

暮れ泥づむ路地端を鋏さみ

格子の手摺窓と海鼠こ壁と

残照に浮び上る十字架屋根

風致地帯商家の軒先を湊から

戻りながらチェロの微睡み奏

が耳おくで心を引っ掻いた




こんな時勢令和だからこそ

視点をうつせば映けてくる

過去の懐かしい緒産もある

だいじな忘れもの落としもの

こんな棘だらけのご時勢に

忘れていた聖ずしげな羹もい

令和をステンドグラスに変え

過去からこの未きを鏡れるはず

きっと宇宙見上げて進めるはず







21/09/20 11:33更新 / OTOMEDA
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