令和の彩窓から透かしてみる たび
SASEBO HIRADO
ひきつづき 旅の噺である
松浦鉄道で高架駅に滑り込むと
目の前はミナト
湾ん向こうの島影と灘だが
高松駅前と類ていると思ったり
武骨で無彩色な軍艦も停泊する
軍港由来の都会 サ セ ボ
至るところで天主堂が見下ろし
港に連なる広い河に囲まれた
配置など高知城下も思わせる
坂道のアポロンの舞台となって
山の斜面這い上がるような
家々をぶら下げた坂が多い
中心部をちょっと分なれると
昭和の置いてきた感満載だ
一転 ヒラドは海と瀬戸の洲
橋から行き交う船隻ミオロス
雄大な自然を大んどばっくに
江戸期の懐古趣味が沈たずむ
城と漁港と街すじ潤す濠江
暮れ泥づむ路地端を鋏さみ
格子の手摺窓と海鼠こ壁と
残照に浮び上る十字架屋根
風致地帯商家の軒先を湊から
戻りながらチェロの微睡み奏
が耳おくで心を引っ掻いた
こんな時勢令和だからこそ
視点をうつせば映けてくる
過去の懐かしい緒産もある
だいじな忘れもの落としもの
こんな棘だらけのご時勢に
忘れていた聖ずしげな羹もい
令和をステンドグラスに変え
過去からこの未きを鏡れるはず
きっと宇宙見上げて進めるはず
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