澪 お 揺く 舳 艫
あさうあけの
暁の河港口を
舳がいく喫水の印章が走る
跳ねる水
滴ぶきが荒らう
前宵の 穢 を祓うかのように
resetの、一新んの、対価か何かのように
射して穿ら貫く意思のランス
破り捨てた遺書の片も舞う
こんなものはまだイラナイ
いいのこすことも
思い残すこともなにもない
ただたんに
霧散して無惨になって
顕らあれる汎らゆ濤みに、沖きあいへ
還してもらって
あてもなく
鰯し 漁う のソノヒグラシの
溟羇をしてさえいれば
それだけで果てなき梦は
朝さ な 夕う な
充 つ る
満 り る
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