ウ タ ヒ メ への 悼み 章 み
歳末に寄せた一番の衝撃
歌姫で女優でも在った中山美穂の夭逝
還暦近くだったのだから満巻だったの
でしょう?と若手ならいうのかも
しれない
でも歳も遠くない自分にはそう
おもえない
はやすぎ
しかもえい淵んに喪なわれて
歴史というディジタルな記憶の只中に
綴じられ回顧回帰されるだけになった
のはそのキャラクタリスティッキや
若いころの美貌の画像だけじゃない
ウタヒメとしての聲えの醸し出す
匂をうような艶やや飾ぜもである
喩えるなら高音域にたっすると
ビブラホンのような
幾重にも増して鏡 響き間い 野 び ゆき
霊まし に沁 むような透過度の奥雪い
メガミ の コヱ
貴ても迫よい釣り眼とともに印象付け
て虜り囚にされる
放なさない
そんなアーティストであった
だから年内惜しんで悼んで
痛んだ唇の傷を噛みしめるように
回想の『逝むれる森』のなかに
唯だ 沈 づみ 降だり
浮んだり 和がされたり 包 つ
暫ばし 黎た づ む
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