エンバーマー姫
屍体とニラメッコ
屍翅ねとニラメッコ
わたしはみづから望んで死んだあとの
人のカラダをケアする仕事に就いた
死化粧(遺体美粧)したり着替えさせて
納棺まで面倒をみて差し上げる
そのかたの活きていた時分への
餞なむけだけのための想もいでもって
厳粛に、故人の完結した人生に畏敬捧げ
慈しむこころで
エンバーミング
重くてもいい
のしかかられ憑かれても全然構わないよ
death
死っていったいなんなんなんだろう
テレビのNEWSや新ん聞ん
アニメやマンガ、数々のフィクションで
こどものころ子供の心が死に接するたび
生 って何だろう
何故わたしは生きてるの?
何故ほかの人達は1人また1人と
つぎつぎと消えていき思い出だけになる
話したりコミュニケートも取れなくなる
んだろう
死を悲しんだりするのは本当は
意味がないんだろうか
幼い時分からのそんな哲学的思惟が
当たり前の様にわたしをこの路へと
誘ざない導いた
動かなくなり硬くなった故人の体と
剥き合い濁ごった眼球のおくのほうの
宇宙を ジッと ずっと 覗き込んでいれさえ
いればいつの ひ か
疑念に対するなんらかの応たえに
すこしでも近づけるような気がするから
ひとの死との纏ろいはだれもが
とわに無くなるものではなく
いつかそこにかならづ辿りつくもの
だから、譬とえ
わざと 直視を背けていても
忘れた振りをしていようとも
そこに 堕ちるのよ
けっして醜くくなく 美つくしく
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