pride chickin
キッチンで
チッキン調理中に衣をつけて
油で揚げてるとチッキンが
話しかけてきた
「美味しく調くっておくれよ。
おいらは食材のなかでもとくに
プライドが高いんだ」
召し上がられる彼らのプライド
なんでそんなに高くなったのか
ついこの間まで狭いちいさい卵の石灰質
の殻の中で卑屈にまるまっていたくせに
なまいきだ
しかし彼らが存在しないとじんるいは
困るので我慢我慢
機嫌そこねて一斉ストライキでも起こ
されたら食生活やせいかつインフラに
かかわる 「ごめんよ」と鶏の肢を撫で
キッスして一皮剥いて口に入れた
イテッとチキン野郎は悲鳴あげ萌だえた
「もちろん分かってるって。
君たちはいまや現代消費社会の中央宮
栄養価生活の主役級のハナガタだ。
ブタカツや牛ゅうもすごいが、おっぱ
いさんやサラリーマンが仕事がえりに
いっぱいやるお供でかつやくするのは
きみらチッキン類のナゲっと 焼串だ。
崇敬と多謝の念をもって平伏傾首しそ
のうえで味わわワせてもらうよ。咀嚼
後20秒できみらのことは忘却の隅に
追いやるけどね、かまわないかね」
「忘れてもらってかまわないとも。
それでも分子配列を変えたぼくら由来
の栄養価がきみらのボディ構成するサ
イボー分子の一つ一つになって宿どる
予定の真実は変わらないんだ」
ふーむ
こちらは彼らを摂取吸収する側なのだが
負けている気分になるのはいったいなぜ
なのだろう
たとえば配役を逆転しぼくらのカラダを
かれらの飼料にする時代に革命シミュ
レイトしたらわかることなのかな
ナワデーズ kitchen の
chopping block anecdote
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