お輪わりさま



大輪が恋しいシーズンになった

道端で瞬きもせず ぎろん と

おれを睨み付けている

メダマ野郎

放射状の同心円に囲まれて

尊大におれを見下ろしている

黒目がちな単眼瞳孔は

幼いころから恐怖の的だった

あれはただの種となるものの

集まりだと頭じゃ分っちゃいるが

いつだって挑まれているようで

蔑げすまれているようで

復讐したくなる 呪詛したくなる

そんな脚しき自分を映される

器つされているそんな夏の天敵

婢魔割りさん

おまわりさんのつもりか

オマエわ! (ぎんっ)







21/07/12 06:45更新 / OTOMEDA
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