アガ パン サス
紫
といえばあじさいが目下
シーズンの主役だが
あじさいとならんで
よく目につくのは
紫君子蘭たちだ
びっくりしたことに
彼岸花の親類だそうで
別名アガパンサス
ギリシャ語で『愛の花』
(アガペー + アントス)
まるまる頭のあじさいらは
ボウズが至る処に神出鬼没と
いったゆーもあある風情だが
アガパンは君子の二つなに
相応しく涼しげな色使いで
迷いなく正面に花弁を展げ
凛と背をのばし風に揺れる
その風格はゆたか
まさに居ながらにして
愛の詩を奏でる合唱隊だ
さあこどもたち
かれらの歌うららばい響えたら
入梅のふったりやんだり
すとれす傘鳴る林のなか進んで
浄霊の雫に洗われる淡紫の
煙り棚引く滲じめる迷宮に
一緒に魔幼いにいこう
瓢凛併せ持つ君子の魂の旋律に
その身委だねて颯爽と
滑空しながら
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