鎌倉紫(ゆかり)宴郭
目の傷むような翠濃と紫網に沈む
六月展がる古都を奔放に儘アルク
山の内から 扇が谷へ
借景なる丘陵のおねつたって
敷きチラカル小枝踏みしだき
濡れ土煌く切通坂で肢滑らせ怖々
手鞠アタマの群生らめ でて撫でて
錯纜しつくく くくりと周ってゆく
茎で和綴た結い冊ぢを捲くるよな
或旅いて啓かるは綾鳴す色弟達が
格束し畳閃するいめいじの爆誕臥
琴と館ち糀める緑墨割るように
脹らみ数珠ねる紫かりの牧き場
絲雨の繊細な遷筋が煙ぶり噴げ
もののふまみれた伝承甦らせて
蜉蝣を模した翳雲寺らす憐陽炎
さあえき魂まえ 廊おたり舞りて
閧きの涯たから遺みあるソウル
怒もが鎌や零れ刃に誘なわれて
此相臨そうべく翔けてくるのを
釜に茹でた飯焚き笑顔ふり舞巻
町ちましょう 小町通
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