詩姫



いにしえの
 古城にそよぐ 春の風

湖面に舞散る
 さくら木の花
  波紋に気の付く
    鯉もいるとて‥

詩姫は唄ふ

 つらり
  つらりと
   短冊の上

走らす筆に込めいるは
 とほき都にいる殿へ
 はせる想ひはこれ一つ

 狂おしく
  愛しき人へと
   つのる想ひを

青き空を見つめいて
春の風に詩のせいれば

千里の先も
 万里の果ても
  想ひはきっと
   超え ゆかん‥

春なのに


ぽろり
 こぼるる



なみだ
一つあるかな‥





25/11/06 00:05更新 /  老女と口紅。
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