記憶の貴女へ
冷たさが身を切る時
あの夜
街灯の下
左手に 確かにつないだ
君のぬくもりを さがす
拝啓、
記憶の貴女へ。
/
独り身なら深く
歳を重ねる度に
素直になれたの。
なら
若さは 罪でしか無くて
浅はかは愚かでしか無く。
過去の
愛した人への 想いは
涙で 溢れる気がします。
自身が、笑って泣いて
はしゃいで.うつむいた
時の記録は大切なもの
追憶は
ときをへて 想いの全てを
むねのおく 粉雪の舞う中
かけめぐる 愛情の記憶を
僕の左手に
呼び起こし
あの時の
あの 大好きだった
あの日の 貴女へ
冷たく凍えた
君の右の手を
たぐり寄せて
今の僕から
記憶の貴女へ。
君の居ない未来
時空の余白には
降り積もる粉雪
/
静寂と 街灯の下
素直な気持ちで
随分と待たせたね
この ひとことを‥
(
って、
言える気がした
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