冬の桜

空に向かって枝を伸ばす
一本の木

今は眺める人もいない冬の桜

わずかに残った褐色の葉を
風が揺らしている

これから長く寒い季節を
じっと耐えて春を待つのだろう

だけどその姿はさみしそうにも
わびしげにも見えない

冷たい空気の中すっと立ち
力をためるように陽を浴びている

桜は知っている

どんなに冬が厳しくても
時は過ぎてまた春が来る

桜は知っている

明るい空の下 花開く日
人々は集い微笑みかけてくれる

その時までうつむかずに
おひさまに顔を向けていればいい

20/12/09 23:40更新 / 香弥
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