山茶花と粉雪

山茶花が一つ咲きました
雪の降る日に咲きました
朽葉の陰に隠れた蕾
思い出すよに綻んだ

見上げれば舞い散る粉雪
過ぎた真冬に似た景色
きいんと冷たい空気の中を
春など知らぬと下りてくる

時は止めどなく流れるのに
戻れるはずもないものを
名残りとばかりに弥生月
白い山茶花白い雪

無垢な光をその身にまとい
生まれたての命のように
一つ清らかに山茶花は咲く
そして止めどなく雪が舞う

まるで春など知らぬげに






25/03/08 15:58更新 / 香弥
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