幾千万の交響曲
気がつけばじわりと汗ばむ肌
春は夏に追い立てられて
影もなく逃げて行く
最後に散った坂道の桜も
豊かに新緑を纏い別の顔
季節の物語はプロローグを終えて
劇的に景色が変わる
忍び足から疾走へ
次々と映し出される鮮やかなシーン
その中に思い切り飛び込んで行きたい
巻き込まれたい
眺めてるだけなんて狂おしくなる
高鳴る胸は原始のざわめき
呼んでいる
呼ばれてる
百の旋律が流れる
千の色が重なる
幾千万の生命(いのち)が叫ぶ
聴いてるだけじゃ悲しくなるんだ
この光の洪水に溺れたい
深く沈みたい
花よ緑よ咲き萌えろ
山よ海よ明るく輝け
鳴り響け
季節の交響曲よ
圧倒的に詩を謳え
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