桜の君

若葉の道をひた走り

桜の君に会いに行く

山は里より季節の移ろいが早い

もしかしたら無情の風が

君を攫っているかもしれない

早く 早く

流れる雲は雨の予感

辿り着くまで待ってておくれ

トックン トックン

ときめきはまるで恋

木立の枝はうっすらと

淡い緑を纏い

萌える準備をしている

きっと景色は瞬く間に次の装い

今日を逃せば月日の川が

僕らを隔ててしまうから

トックン トックン

山を染め上げ待っていて

美しい桜の君

心は一面君の色






24/04/08 12:46更新 / 香弥
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