普通の町の春
特別なものなど
なにもない
そんな町に春が来た
誰も知らない
名所でもない
普通の桜が咲き出した
公園で最初の蕾が開いたら
こんにちは
あなたが一番よ
見つけただけで
なぜだかほっこり
南風に誘われて
外を歩けばあちこちに
ピンクに染まった並木道
用事はなくても勝手に足が
ついつい曲がって遠回り
桜を眺めて行く道に
菜の花水仙黄色の天使
まるでおじぎをするように
一緒に揺れてご挨拶
私を迎えてくれてるの
角を曲がれば昔ながらの門構え
塀の中から年期の入った
木瓜や桃、白木蓮がのぞいてる
枯れないように折れないように
守った花が今年も咲いたね
遠くを見れば山ばかり
○○タワーも○○パークも
有名なものなど無いけれど
花と緑にすぐ会える
そんな普通の町の春が好き
巡る季節
そして私は再びの
ただ一度きりの春を行く
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