二夜の月

美しき月を愛でたや十三夜
待てど雲間に隠れしは
淡き影さえ現れず
見ねば寂しき片見月
ため息のもれて濁りし秋寒に
歌詠む君の声がする

白金の光が揺れる波の上
蓮の葉落ちて船がゆく
風に乗り笛の音響く夜の海
歌に誘われ浮かぶのは
心に描きし次の月

幻と知れど嬉しや
麗しき君の想いの十三夜
願わくは清かな光よいつまでも
二夜の月に見守られ
今宵天女の夢を見る





22/10/09 01:12更新 / 香弥
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