春夏秋冬

素敵に晴れた朝

駐車場から社屋に向かう歩道を急ぐ

前を見ると赤や黄色の葉が

点々と落ちている

葉を落としているのは

片側に佇む数本の細い桜の木

7年ほど前に植えられたらしい

ここに来た頃はまだひょろっとした

若木だった

小さいけれど春には薄紅色の

花を咲かせ行き交う人を

楽しませてくれる


花が散る頃芽吹いた葉は

やがて青々とした深緑になり

今は色づいて秋の装い

全部落ちたら裸になった枝を伸ばして

やわらかな陽射しを浴びるのだろう

そうしてまためぐり来る春のために

力をためておくんだね

これから幾度も季節を繰り返し

10年くらいしたら大きくて立派な木に

成長するはず


見ているね

いつまでかわからないけれど

少しずつ育っていく姿

微笑みのような花びらも

生い茂る葉も

落ち葉のあとの佇まいも

春夏秋冬

この道を歩くたび

桜の下を通るたび





21/11/12 07:24更新 / 香弥
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c