希望の海
生まれて初めて見た海は鈍色の暗い海
ものごころついたばかりの目に映ってた
京浜地帯の広くない海
遊ぶ所が無くて水平線を見ながら
岸壁で遊んでいた
小さなオレンジ色の蟹を追いかけた
幼い日々
鈍色に続く空は青かったのかな
覚えてない
それ以上端に近づいたらだめよ
やさしい声だけが耳に残っている
あれから舟を漕ぐように
ずいぶん遠くまで来た
遙か離れて岸はもう見えない
私の前に広がるのは小高い山々の峰
水平線の向こうに見たものは
ここだったのか
あれから幾つ夢を見て
幾つ破れ叶ったのだろう
迷いと不安の中で大切と思うものを
つかんで来たけど
やりたい事ばかりじゃなかった
もしかしたらこれから
叶うのかもかもしれない
年を経て削ぎ落とされた希望の中に
子どもの頃見た夢の続きが
鮮明に浮かんでいるから
まだ漕いでいる
まだまだ漕いで行く そこを目指して
波光きらめくこの海の果てまで行こう
空を感じながら
空に見守られながら
私の海を見つめて行こう
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