雪の帰り道

雪といえば思い出す
あの冬の日の帰り道

まだ誰も通らない積雪の中
重いかばんを抱えて
足跡をつけながら君と歩いた

坂道を登り切ると空気が
キーンと澄んでいて午後の陽射しが
白い道を照らしていたよ

林を右手に通り過ぎて空き地の前まで
来ると 積もったばかりの雪が輝いて
僕らを誘っていたっけ

どっちが先に行ったかな
思わず駆け出して 真っ白に広がる
雪の中 二人でずぶずぶ歩きまわった

柔らかな感触が長靴も履いてない足に
心地よく伝わってワクワクしたのを
憶えてる

嬉しくて楽しくて
君と一緒に叫んでた

気持ちいーい!

あれは高校2年の冬のこと
生まれて初めて僕は
友だちっていいなと思った

20/08/30 17:39更新 / 香弥
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